2017年8月8日火曜日

あるがまま(あるまま)

「苦痛を苦痛として受け入れるようにしよう」という事は、その「受け入れよう」と心がける事が「思想の矛盾」となって、その受け入れる事が益々苦しくなる。

普通の人は、平常「受け入れる」とか入れないとか、そんな事を考えているのではない。

ただ苦痛は苦しみ、面白い事は喜んで居るだけである。夏の暑苦しい衣物でも、「苦痛を受け入れよう」と考えて着て居るのではない。

ただ何とも考えないで、それきりであるから、別に耐え難い苦痛を感ずるのではないという意味であります。

こんなことは総て言葉尻の詮議立をせずに、常に自分の心持をよく観察して考えなければなりません。

もし貴方が「受け入れなければならぬ」というはからいの心がある時には、常に必ず苦しくてたまらぬものであり、ズイブン窮屈な洋服でも、そんなはからいの考えがなければ、少しも苦痛に気のつかぬものです。

 森田正馬




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